2019年に買ったカメラ

まとめる時期なので、2019年に買ったものをまとめた。

略字の断り

どこからが方言なのかがわからなくなってきた。

  • メカシャッター/電子シャッター: ここでは後幕のこと。先幕は電子しかない。(うちでは)
  • AFL, AEL: オートフォーカスロック、自動露出ロック
  • IBIS: ボディ内手ぶれ補正機構
  • MFT: マイクロフォーサーズ
  • MZD(+数字): オリンパス製のMFT用レンズ (M. Zuiko Digital)
  • G/G X/DG(+数字): パナソニック製のMFT用のふつう/X/ライカ銘レンズ。
    • ただしG7とG99はボディ
    • ズームレンズにつくVarioなんとかの部分はエアロパーツなので無視する
      • DG VE 12-60 って呼びたくないので……
  • A7: ソニーのα7(ILCE-7)
    • 7のつくカメラが増えがち

2019年に買ったやつ

Lumux G7

ザ・一眼!という形と和解するために買った(先にG6も買ったが動作不良で返品した)。結果としてはあっさりお気に入りになった。使い勝手がめちゃくちゃよい。買ってよかった。

形状が手になじむし、ボタンやダイヤルの配置がよくて非常に扱いやすい。歴史のある形には理由があるのだなあと思った。(現金な感想) 

ファインダーを覗いて、どっしりと構えて落ち着いて構図を整えてから撮る作法は一種の儀式みたいで、なるほどファインダーの位置や大きさ、質、形式にこだわる人が多いのも理解できる気がする。

太いレンズ(手持ちではG14-140IやGX35-100II)を使うときのボディとしてはしっくりくるバランスになる。MZD2518をつけてもころっとしていてかわいい。隙がない。

操作したときの応答はGX7Mk2ほど早くはないが、それでも遅すぎることはないし、GM1でわかっていたことだが、ソフト側のインターフェースにほとんど不自由を感じない。

ボディの素材にとくに安っぽさは感じないが(まだ良し悪しがわからない)、軽いのはいい意味でおもちゃっぽい。気楽に持ち出すにはもちろん軽いほうがいい。グリップがしっかりしているので、握ったまま歩くときも安心感がある。

IBIS非搭載で軽く済んでいるのも選択肢としてはありがたい。太いズームレンズならだいたいそちら側に手ぶれ補正が入っているので……。後継でG77とか出ないかな。(ソニー感)

左手でも(Fn5ボタンで)親指AFができる点がかなり気に入っている。ズームレンズを使ってるときは左手がレンズのほうに行ってしまっているので、そこまで使用頻度は高くないが、それでも左手が遊んでいるときにふらっと分業ができるボタン配置は便利。(本来はレンズ鏡筒にボタンを置けという話だと思う)

メカシャッターの音が響く(気になる)ほうなので、ずっと電子シャッターで運用している。 GM1を触ってからは屋外で電子シャッターを使うことが多くなっているはずだが、ローリングシャッター歪みで失敗したと思ったことはほとんどない。(つまり動きものを撮らない)

センサーとエンジンのどちらがいいのかはわからないが、GM1やG6よりはちょっと上級という感じの絵が出てくる気がする。

GM1やG6と同様、RAW保存でも撮影時のアスペクト比の設定が適用される。(4:3以外の設定ではクロップされた状態で保存される。GX7Mk2では常にクロップなしの4:3で保存される。) よく現像時に角度を修正するので、その点からするとクロップ前の画素が残っている保存形式のほうが有利なのかなあ、とか考えつつ3:2と4:3を行ったり来たりしている。

ドライブモードダイヤルが視界に入らないので一生触れない概念になりつつある。最近は4Kフォトではなく録画機能を気楽に使うようになった。60fpsもあれば十分でしょう。 シャッターチャンスがいつ来るか不明なシビアな場面なら動画を回しておけばいいよね、という4Kフォトの要旨だけ受け取ったかたちになる。

機能面での不満はUSB接続での充電とSDカードの中身が取り出せないことくらい。バッテリや記録メディアは取り外すから入れ忘れる……。次があればG99になる予定。

Sigma 45mm F2.8 Contemporary

A7用のAFレンズをついに買った。 ボケ質の向上に都合のいい球面収差だけ生かして他は残らず殺した、みたいな村を焼く悪役のような公式の解説を読んで、フルサイズならではのレンズを求めるのであればちょうどいいかな、シグマもfpの勢いが続いてほしいしな、と思ってうっかりぽちってしまった。

これから同じ系統のレンズがどれだけ出るのかはわからないが、最初に出たのが標準域のレンズでよかった。そこそこお手頃価格なのも、そこそこ寄れる点もありがたい。(近くのものを撮ることがあまりないことに購入してから気づいたが……)

既存のカメラのこと

Sony A7

2018年に買っていた安価なフルサイズ機。OMレンズでオールドレンズ遊びをするために買ったが、実際はピント合わせが面倒になってほとんど持ち出さないまま、1年半くらい塩漬けになっていた。

いかにも一眼なボディ形状はG7で和解できたし、先日、ついにAFレンズを買ってしまったので、ようやく本来の性能と操作性を評価できる段階に至った。2020年はフルサイズでしか(MFTでは)出せない絵というものを知っていきたい。

「ふつうの操作性」の基準が今はLumix G7にあるが、A7はそれよりけっこう低い。操作後の応答が遅いのもあるし、C2ボタン、電子ダイヤル(後ろ)、露出補正ダイヤルの列が割と指の届かない位置にあったりするのも悲しい。 各ボタンやダイヤルの距離を考慮し、快適に使うための設定を練るところから攻略が始まるため、ボディだけでもゲーム性に富んでいる。

Sigma4528Cをつけて少しだけ試したが、ぱっと撮って現像で雑に明るさを調整するだけで写真っぽい絵がどんどん出てきてびっくりしている。なんか勝手にドラマチックになる。MFTとは違う次元の何かが出てくることはわかった。 撮るときの気軽さは圧倒的にパナ機が優勢だけど、この重量物を持ち出すことにもそれなりのリターンがありそうだということがわかってうれしい。

Sigma4528CをつけたときのAFは遅いが、MFほど集中力は削がれないのであるだけでありがたい。AF速度でE-P5を使っていた頃を思い出す。レンズのことを考えるとDP2 Merrillの後継と考えるほうが適切かもしれない。(もちろん性質はかなり異なる)

シャッター音が鳴ることで自重する場面はちょくちょくある。構える際に緊張を覚える程度には重量感もある。

管理ファイルの修復をしようとして「バッテリ残量不足でできません」って言われてわろた。あと、手元のAC-USBアダプタでいくつか充電できない組み合わせがあるので気難しい。

fpはほしいが、ぽんと買えるお値段ではないため、ひとまずA7で様子見をしたい。マウントの爪がだめになったら次のことを考える。

Lumix GX7Mk2

2018年に買った機能満載の箱型ボディ。不満がほぼないのでもちろん続投。メカシャッターでも静かなので、本当に気に入っている。

G7を手にしてから振り返るGX7Mk2の感想としては、そこまで小さくないボディサイズとそこそこの重量、やや足りてない感じのグリップという構成にみえるが、機能や操作性を考えると必要最小限なサイズなのだなあと感じる。GM1やGF9よりもでかいのは仕方ない。 小型の単焦点を軽く持ち出したいけど手ぶれ補正がないと不安、となるとこのボディを選ぶしかない。

G14-140やGX35-100を合わせるにはでかすぎる。レンズサイズに対するボディのバランスというものをようやく意識した。

不満がグリップしかない。握りづらさの分だけG7よりもやや重く感じるが、それも箱型であることとIBIS搭載のメリットのために相殺されるし、いちおう追加グリップもあるので万能感はある。

G7のものと比べるとEVFが小さくて粗雑なことがわかったが、だからといってこのEVFを覗いて撮るときに困ることはない。ファインダーに対する信仰心が低くて助かった。

電源レバーと一緒にモードダイヤルが回っていることがあり、EVFを覗いた後に気づくとモードを直すのがだるい。モードダイヤルがすぐに見えないのでボディ背面に置いてほしい。(デザインが崩壊しそうだが、ソニーあたりがうまくやってくれないだろうか……)

Lumix GF9 / GF10

買いそうになって買ってない。中身が古いGM1の代替機として一時期、めちゃくちゃ欲しくなったが、いくつかデメリットがあって結局手を出さなかった。最初のMFT機としてはかなりいい選択肢だと思う。(パナ信者並の感想)

  • よいところ: 小さい、形がいい、MZDのF1.8単焦点シリーズがよく似合う、IBIS非搭載で軽量、左肩のFnボタン、引き起こしやすそうなチルト液晶、USB接続でファイル転送と充電が可能
  • わるいところ: 起動が遅い、カスタムモードがない、露出補正が直接操作できない、ボディ単体で販売されていない(中古もキットレンズがついてくることが多い)

小型で軽量でIBISなしのボディというものは構成部品が少ないので、そのシンプルさに魅力を感じるときが定期的にある。EVFもないのでチルト液晶が引き出しやすそうなのもよい。(GX7Mk2比)

左肩のFnボタンの位置がいいので、AFLにあてて一度使ってみたい。

その他の雑感

MFTのカメラとレンズのこと

  • 最近はほぼ基準感度でしか撮ってないのもあるが、いま手元にあるMFT機で撮ってCapture Oneで現像して得られる絵で不満はないと思う。
    • MFTのゴールはG99にDG 25/1.4 IIとG X 35-100/2.8 IIを合わせた構成になると思うが、手持ちのG7とMZD 25/1.8のままで終わる可能性もある。
  • パナ機のカスタムモードがよい。以前にAモードでは基準感度、SモードではISO Autoで撮ることがほとんどなので、モードの切替直後に感度設定がそうなっていてほしいと書いていたのだが、カスタムモードだと登録時の諸々の設定が呼び出しのたびにレストアされるので、つまりは所望の動作になった。満足。
    • 当初は意識していなかったが、露出補正やAF位置も起動のたびに初期値にもどるので、この点もありがたい。
  • G 25/1.7からのグレードアップとしてMZD 25/1.8を買った。小型でAFが無音で、開放から強そうだったので。AF駆動時にレンズ内でモヨモヨモヨ!と動いてるのが指に伝わってくるのがかわいい。(本当に無音なの?)
    • 同じく無音AFでそこそこ小型で色気のある写りと評判のDG 25/1.4 IIとしばらく悩んだけど、MZD 25/1.8のレビューでよくみる「味のない写り」というものが逆に気になってしまった。あとレンズ本体が短いのが好みだった。
    • G 25/1.7に大きい不満があったわけではなく、ただ3年以上も使っていてレンズ内のチリが目立ってきたのと、パナ機につけたときのカタンという本気AFの音が気になってきて、さすがに元は取れただろうし、標準単焦点は本当によく使うから、ちょっといいやつに置き換えてもいいかなと思った。
      • 実際安いので、様子見としても最初の単焦点には本当におすすめです。
    • パノラマ合成ソフト(Image Composite Editor)を軽率に使うので、広角端は換算50mmでも足りるような気がしてきた。
      • パノラマ合成の際にビシッと垂直を揃えてくれることを受けてか、現像時にも水平垂直を注意するようになった。
        • 自動で水平をとってくれる換算50mm F2程度のGRがあったらかなりほしい。(唐突な妄想)
      • パナ機かシグマ機だとAFLと同時にAELをかけられるので、パノラマ素材を撮るときに楽。
  • 高倍率ズームとしてG 14-140/3.5-5.6 Iを買った。RX100M6やMZD12-100の発表時から発症していた換算24-200mm(厳密には50-200mmの部分)がほしい病はひとまず収まった。(SEL18135を買ったときにも同じことを書いた?) 
    • MZD12-200から見たら十分小型だよね、という予想外の方向からのサイズ感ハックに背中を押されてしまった。
    • 手持ちのキットズーム(G 14-42 IIやG 35-100)よりもズームリングの回転がなめらかなので、満足度がちょっと高い。
    • いくらズームの倍率があっても位置取りがわるいと何も撮れないということを気づかせてくれる。
    • 14-42mmの出番がなくなるかと思ったが、GX7Mk2に合わせるにはG14-140はでかすぎるので、需要はまだある……と思いたい。(すでにMZD2518に食われがち)
      • 手持ちの14-42mmの中ではG 14-42 IIがいちばん気に入っている。最近の黒いやつ (H-FS1442A-KA) の配色がいいし、25mm位置でいちばん短くなるのでホームポジションにできる点も好き。
  • 35-100mmの望遠ズームレンズ2本(F4-5.6のGとF2.8通しのG X)がどちらも小さくて気に入っていて、ちょくちょく持ち出している。換算70-100mmあたりは信号待ちのときに道路の向こう側を撮るのにちょうどいいと思う。
    • 小さいほうは標準域のレンズと同等のサイズ感で望遠域をカバーできるので本当によいが、それはそれとして、もっと小さい望遠ズーム機があってもいいよなと思うことがある。換算70-200mmのレンズがRX100くらいのボディに収まったコンデジがあったらほしい。(それがまさにRX100M6ですが……)
      • 本当は換算50-200mmの小さい暗いズームがほしい。(いまはやや大きいG14-140で満足するしかない)
    • 大きいほうは、なんかすごく色が出る気がする。ただ撮るだけでいい感じの絵が出てくると楽でいいなあ、DG 25/1.4もこんな感じなんだろうなあと思っている。
    • G14-140を使っている感じだと、テレ端が70mmくらいでもわりと足りる可能性はある。そういう意味ではDG12-60もゴールになりうるかもしれない。(でもでかい)

カメラというもののこと(装置について)

カメラの操作性について求めることがなんとなくわかってきた。大きすぎない重すぎないことが前提条件で(いきなり曖昧)、

  • 親指AF(AFL)ができること、
  • 露出補正がすぐにいじれること、
  • 静音撮影ができること

あたりを重視していると思う。小型ボディ(≒ エントリー機)では省かれがちな要素で残念。 あとは、あればうれしいという点ではAFが速い、起動が早い、操作に対する応答が早いというのがあって、総じてパナ機が快適という話になってしまう。

自転車を押しながら、傘をさしながら、コーヒーを飲みながらなど、片手で撮れない/撮りにくいことに不自由を感じる。ズーム操作がからむと特に。コンデジのズームレバーのありがたみがわかってきた。

スマホのカメラでも十分!ってのがよくあるけど、たしかにスマホでもコンデジでも全然いいと思う。手持ちでカメラが頼りになるやつはいないけど、カード型のボディに、換算50mmのちょっと明るい単焦点か手ぶれ補正つきの70-200mmがレンズがついたやつがあって(あるいは2センサ体制で両方積んでほしい)、水平を自動で直してくれて、カメラ以外の処理でバッテリを浪費しなくて、起動で待たされることがなくて、レリーズボタンを押したら必ずレリーズできて、待たされないAF速度で(あるいは置きピンができて)、撮影後でも露出をいじれたら全然ほしいと思う。(安いスマホしか使ってないので期待値が低い)

いまや半携帯ゲーム機でさえスクショ(静止画も動画も)をさくっとツイッターにアップロードできるので、カメラもそれくらいはできてほしいよなと思わなくもない。

写真というもののこと(結果について)

  • 人間はグラデーションがあるだけでそこに意味を見出してしまうので、周辺減光なんかはわかりやすい武器だなあと思う。濫用してる。
    • G X 35-100 IIを使っていてようやく意識し始めたが、周辺光量落ちがあればなんでもそれらしく見える気がしていて、それが大きく現れる開放のみで撮るのも写真としては正解なのかもしれないみたいなことを考えている。
      • 屋外でも単焦点の開放だけを使うみたいなことを最近は試している。
  • 景色の中にぽつんと人影を置くだけでお手軽にストーリー性のようなものが演出できてしまうので、これは本当によくないなあと思う。複数枚合成かなにかで動体を消すやつが気軽にできたらやりたい。
  • 手ぶれ補正があっても明るい単焦点レンズがあっても暗いところは写真にならないのだなあということをようやく理解してきた。光がないと写真にはならない。夜に撮れる写真はない。(これは夜景に飽きただけかもしれない)
  • 溜まっていたRAWはそれなりに処理できてきて、現像したものの中でいい感じのやつはGoogle Photosへのアップはしているが、公開用のFlickrへのアップロードはまださぼっている。おまちください。
    • アーカイブ的な場所ではないけど、最近のTwitterはわりと大きめの画像を上げられるし、なんならHD 60fpsの動画も載せられるので、いい感じになってきたなあと感じる。