2020年8月までに触ったLUMIX G

LUMIX Gが大集合だワイワイしてしまったのでまとめておきたい。レンズとか他のカメラについては年末年始に書く。(新しいことがあれば)

  • 手元に残っているのはG8、GF9、G100の3台。あわよくばG100だけで完結してほしい。
  • どうしてLUMIXが増えるんですか?(現場猫
    • グリップやら中身の古さやら仕様で葛藤があったからだよ

年始に書いた続き: https://anought.hatenablog.com/entry/2021/01/05/220158

(たぶん買った順に書いた)

用語と前提のメモ

(使用条件や判断基準、効果、用法には個人差があります)(一部、再放送が含まれます)

  • IBIS = ボディ内手ブレ補正 (In-body Image Stabilization)
    • パナはB.I.S.表記だが解釈違い
  • A7 = α7 (ILCE-7)
    • α って打ちたくないが、かといって省いて「7」だけにすると誰だかわからん
    • パナ機の話でいきなり引き合いに出されるソニー機がかわいそう
  • 中身が古い = センサーや画像処理エンジンの世代が古い
    • 古いのはGM1とG7(4:3以外のアス比で撮ったRAWがすでにクロップされているのでわかりやすい)、
    • 古くないのはGX7MK2とG8、新しいのはGF9(どのアス比で撮ってもRAWは4:3で残る)
    • という雑な区別をしており、その中で古いやつだけ避けている。新しいやつほど現像時に雑な調整をしてもいい感じの絵が出てくる。気がする。
      • 差に気づかなければG7とGM1の軽量コンビで幸せになれるはず
  • 操作性がよい = グリップがよい、指が届く位置にFnボタンがある、ボディが軽い、ボタン入力に対する応答が早い、あたりの要素がごっちゃになっている。
    • この観点だけならG7が非常によい。
  • 個人的な重量感は、G7は握りやすくて軽い。G8は握りやすくて重い。GX7MK2とA7は握りにくくて重い。
  • カメラの起動時間についてはImaging Resourceのカメラボディのページにある Performance のタブを開くと Power on to first shot という記載があるので、それを参考にしている。
    • 1秒前後だと気楽に電源をパチパチできる。2秒以上は未来の状況を予知しながら電源のオンオフをおこなう必要が出てくる。
  • パナ機を盲信している理由は、Fn設定の自由度もあるが、どのグレードの機種でも常用モード(PASMモード)で静音撮影ができるからです。
    • 小型機はとくにメカニカルシャッターの制約が強いが、自分は(先幕、後幕とも)電子シャッターしか使っていないし、それで不便はほとんど感じない。
      • 機械シャッターを使っていたのはGX7MK2だけかもしれない。(初期設定の先幕電子、後幕機械シャッター)
        • ちなみにGX7MK2とG8(とおそらくそれ以降)はメカシャッターがかなり静かなので、最近のモデルなら静音撮影機能の有無はあまり気にしなくてよい。
    • あとAFがコントラスト検出方式のわりに速いのもパナ機のありがたいところ。パナ機ならレリーズボタンの半押しごとにAFが動作してもそこまでテンポがわるくはならない。たぶん。
      • そもそもレリーズボタンの半押しでAFとAEが両方とも駆動してロックされるコンデジの操作スタイルが難しいよねという話になるが、この上でAFが遅い場合、AFロックでいったんピント位置を確定してからタイミング(と露出と構図)に集中して撮る手順を踏む。のでAFが遅くてAFLボタンがないカメラは詰む。パナ機は詰むことがない。
  • パナ機はカスタムモードが省かれていないボディ(モードダイヤルにC、あるいはC1, C2, C3の文字があるやつ)を選びたい。起動時やモードの切り替えごとに登録したときのパラメータやAF位置などの状態がレストアされるので、例えばAモードでは最低感度、SモードではISO Autoを初期値としたいといったときに、そういう挙動にできる。
    • モードダイヤルの位置をCに固定できる。カスタム内のモードは背面液晶に表示されているので、モード確認のためにカメラを上に向けてダイヤル位置を読む必要がなくなるし、モードの切り替え操作も画面タッチで完結する。
    • ISO感度を操作する回数が減るので単純に時短になるのと、Fnボタンを他の機能に回せる。
    • 設定リセットの挙動で都合がわるいときは、もちろんモードをC位置から外せばよい。
    • というメリットがあるので、ボタン数や応答速度で不自由しがちな小型機でこそカスタムモードが重宝する。搭載さえされていれば……。(GF9の悪口)
  • 現像ソフトは2, 3年前にCapture Oneの買い切りライセンスを買って、それを使っている。
    • その前は、当時のパナ用SILKYPIXはソフトの挙動が信用できなくなり、RawTherapeeも試したが出力画像の出来栄えがSILKYPIXにまったく敵わず、両方とも投げた経緯がある。
    • 今は現行版のパナ用 SILKYPIX (8 SE) を併用しているが、まあわるくないよと思う。
      • 相変わらずプレビューの更新で待たされることが多い。とくに縦位置の画像を編集する際には再描画が無限に続くのを見守る必要がある。
        • ない、横位置表示にして調整して、最終調整のときだけ縦位置に直せばよい。面倒くさい。
      • ホワイトバランス微調整の小窓に色のチャートがあり、それとは別に色相と彩度のバーが配置されていて(もちろんそれぞれ同期する)、気分で好きなほうをいじれるのでここだけ気に入っている。
      • EXIFか出力ファイル名にレンズ名を残すオプションがほしい。

GM1

パナの箱型のおそらく中級機。運びやすいのでよく使った。このサイズ感とデザインは本当にすばらしい。当時はオリ機しか使ったことがなかったが、GM1の使いやすさに感心してパナに入信することになった。

SILKYPIXでの現像時に周辺光量を補正しないことにびっくりした記憶がある。

RX100用のグリップを貼って使っていて、レンズのサイズを間違えなければ取り回しはかなりよい。 GF9の使い勝手の悪さにうんざりした一方で、小型機ながらもエントリーモデルとは格の違うGM1という存在の株が上がってしまった。

ずっと使っていたかったが、現像時に中身の古さがどうしても気になってしまって後悔する、というのがわかっていても目に入ると持ち出してやりたくなる魔性のボディ。目につく場所に置いておくのは危険が危ないので手放すことにした。 正当な後継機はG100になる予定。

GX7MK2

パナの箱型の中級機。長く愛用していたが使わなくなった。いちおうG8が後継ということになる。

愛着はおそらく一番あったのだが、グリップが薄くて太いレンズをつけたときに保持できない、小さいレンズをつけるにはIBIS搭載のせいで重すぎる、あと電源レバーと一緒にモードダイヤルが回ってしまうことが多いというところで使いにくさを感じるようになってしまった。G 14-140をつけた状態で地面に落としてしまったのがショックで手放すきっかけになった。

つけるレンズを選ぶとはいえ、機能的には隙がないし、相場を考えるとかなりお買い得だった。MFTの1台目としても結構おすすめできる。(今は高騰しているかも)

G7

パナの一眼型(? ペンタ部としっかりしたグリップがあるタイプ)のエントリー機。中身が古いが、軽くて握りやすくて操作しやすいのでかなり気に入っていて、よく持ち歩いた。

不安になるくらいスカスカで軽い。まともなグリップが備わっているので G 14-140、G X 45-175 PZ、G X 35-100 など、望遠域に食い込む太めのレンズと組み合わせても快適(ややフロントヘビーにはなる)。小さいレンズをつけてもちんまりしていてKAWAIIがある。ペンタ部の角張りかたは人を選ぶかもしれない。

ずっと使っていたかったが、GM1と同様、GX7MK2と比べて中身の古さが目立つ。ガワはそのまま、最近の20MPのセンサーに置き換えたバージョンがほしいなどとずっと言っていたが、現在はそれに近いG100という精神的後継機が出たので、それに期待して手放すことにした。

G99

パナの一眼型の中の上級機。買ってない。

G7を気に入った直後はMFTボディのゴールはG99で決まり(G9はさすがにでかい)とずっと思っていたが、レリーズボタン近くの一等地のボタン3つの機能が変更できないことに気づき、というか他のFnボタンの配置も便利な位置から遠いことに気づいてしまったので、一気に冷めてしまった。代わりに相場の落ち着いていたG8を買った。

G8 (new!)

パナの一眼型の中級機。期待を持って買った割にあまり持ち出してない気がする。A7並に重い以外は不自由はない。まともなグリップ、まともな位置のFnボタン、まともなIBISを搭載していて、もちろん機能に不満はない。16MPとはいえ中身もほどほどに新しい。(GX7MK2とほぼ同時期なので当然)

満足のいくグリップと操作系に IBIS & Dual IS 2 があわさり最強にみえる。それほど厳しい状況での撮影は最近はしてないが、そもそもG8を買ったきっかけがG9のIBISが強いという話をみて、当時はまっていたG7にないものを積んでていいなあ、そういえばG8のIBISも強力だったっけ、と思ったことがあったようななかったような……。GX7MK2のグリップに不満を持ち始めていたタイミングでもあり、置き換えるのにちょうどいいという言い訳ができてしまったのでうっかり買ってしまった。

G99のFnボタンの仕様が残念だったため、自分のなかで許容できる仕様・サイズのGシリーズの中では最新モデルということになる。互換性のあるバッテリが安く買えるのもよい。

MZD 25/1.8をつけることが多いが、気合を入れて持ち出す必要のあるA7 + 45/2.8 DG DNの組み合わせと重量もカバー範囲もあまり変わらない。野外で撮るのならシャッター音がそこまで気にならなくなるのでA7、室内なら静音撮影とIBISのあるG8、という棲み分けがあるかもしれないが、結局は気分でより小さい軽いボディに流れることになる。

できないと思っていたUSB接続でのファイル転送ができたので、そこが一番驚いた。

GF9 (new!)

パナの小型箱型のエントリー機。「いま買うか後で買うか」という自分のツイートに納得してしまってうっかり買ってしまったが、じきに使わなくなる予定。G100の情報が出る前だったから、G7とGM1の後継機候補はこれしかなかったのだ……。

小型軽量で中身が新しいのはいい。Fnボタンの位置自体に不満はないものの(それこそG99よりよさげに見える)、デグレされた部分の不自由が強く、史上最高に燃えないパナ機になってしまった。 具体的な不満な点は、Fnからだとヒストグラムを隠さずに露出補正がいじれない(Q. Menuであれば可能だが余計な表示も多い)、起動がとても遅い、カスタムモードが省かれているというところ。GM1は中級機と小型機が両立する貴重な選択肢だったのだと思い知らされた。

露出補正をいじろうとしたときの基本の構えは、左手で本体を支え、右手人差し指でFn1にあてたQ. Menuを押し、画面に出てきた露出補正バーを右手親指で左右にスライドするかたちになる。素直に初期配置の十字キー上→左右キーでいじったほうが早いかもしれないが、このときヒストグラムは隠れる。このへんの不便は、小型機で露出をきちんと調整しようというのがおそらく間違いで、そういえばGM1で撮っていたときは適正露出に任せていたか、事前に値を決め打ちしていたかもしれない。(思い出したので追記: GM1は一度露出補正のボタンを押しておくと、ヒストグラム等の表示はそのまま、背面リングを回して露出の調整ができるという挙動だった気がする。表示の面では都合がいいが、背面リングは押し込んでしまうとボタンとして別の機能が動いてしまうので、回す操作にかなり気を使った記憶がある。一長一短である……。)

使いやすいかと期待していた左手のFnボタンとチルト液晶はあまり活躍する機会がなかった。Fnボタンについては露出補正をいじる際に左手がボディを支えるという前提があり、それで拘束されてしまっているせいかもしれない。やはり前ダイヤルはほしい。チルト液晶については薄型ボディの代償か、三脚とかPeak Design Captureのプレートをつけたりするとボディといっしょに固定されてしまって引き出せなくなる残念な仕様がある。

全体的にボディの質感が安いが、カジュアル(Noob)感が出るので個人的には気楽でよい。形状もかなり好き。形状がいいので余計にチープな質感が目立ってしまって惜しいという気持ちはわかる。

対応メディアがmicroSDカードなので最初はムッとなったが、取り外す機会がないのでほとんど気にならなくなった。USB接続で充電もファイル取り出しもできるので。むしろ、今どきUSB接続に対応してないカメラのほうがきつい。(という点では2013年時点で対応していたA7はかなり偉い)

Capture Oneの最新版でもRAWが対応していないという致命的な不具合があり、仕方ないので公式で案内されているSILKYPIXのパナ対応版で現像している。SILKYPIXは前に使っていたときの心証が非常にわるかったが、いまは当時ほど細かい調整をしなくなったおかげか、それほど不自由は感じない。ただし処理枚数が増えたらしぬ自信がある。(今年は撮りに行く機会が少ないのでわからん)

などと不満は大量にあるが、それでも小型軽量であるだけで持ち出す機会は多い。MZD 25/1.8やG 35-100/4-5.6と組み合わせてコンデジにするのが気に入っている。

GF9はG 25/1.7の単焦点がついてくるセットで販売されていて、入門セットしてはかなりいいんじゃないかと思う。絞りを開いたら何が変わるかというのはキットズームでは学べないし(とくにセンサーサイズの小さいMFTでは)、そういう機会を押し売りするのは撒き餌レンズの正しい役割という気がする。GF9が最初ならボディの使い勝手もそこまで気にならないかもしれない。パナの良心の最低保証を確かみてみろ。

G100 (new!)

自分のことをGシリーズと思い込んでいる新系統のカメラ。内容も形状も属性が多いのでキメラだったかもしれない。いちおうビデオ向けでプロモーションされているが、個人的にはスチルカメラとして使いやすいのではないかと期待してポチった。形状については尖りすぎないA7という感じでかなり好み。(まだ実物をじっくり見てないが)

G7の中身を新調したモデルと考えるとG 14-140をつけたときのバランスがわるそうだが、前ダイヤルを追加したGM1/GF9として、あるいはIBISを省いた軽量版GX7MK2として、小さい単焦点やG 35-100/4-5.6を合わせるのならかなりいい感じに使えるのではないかと期待している。

よさげに見える点としては、

  • カスタムモード搭載(GF9で削られているのが非常につらい)、
  • 露出補正をいじるのに便利そうな前ダイヤル(GM1やGF9にないのが痛い)、
  • G99とほぼ同等のFnボタン配置、
  • GF9と同等の薄いボディにグリップとOM-Dほど自己主張しないペンタ部を足しただけの小型のモブ顔ボディ、
  • ダイヤルではなくボタンによるドライブモード切り替え(Fnから呼び出したときのドライブモードの一覧が見やすくて好き。Gシリーズのドライブモードダイヤルが苦手)、
  • おそらくG99と同等の20MPセンサ、
  • GX7MK2と同じバッテリ、
  • microじゃないほうのSDカード対応、
  • USB接続で充電もファイル転送もできる

と、かなり使い勝手がよさそうに見える。起動時間もおそらく1秒ちょいで、GF9のようなモタモタ感はない。動画撮影をするのはどうせ標準〜望遠の用事だと思うのでクロップがあっても構わない。10分以上の長回しはビデオ用途で一番よく持ち出したG7でもしたことがない。SILKYPIXでの現像もまあまあ慣れた。という感じでノリノリでゴーサインが出てしまった。

長く愛用できることを願いたい。これから開封するので、やばい仕様とかがあったら追記する。